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注文住宅を建てる際には、工法の種類や特徴について理解しておくと機密性や断熱、耐久性といった点を理解した上で工法を選択できます。また、注文住宅で用いられている工法は複数あり、それぞれ強みや特徴に違いがあります。
注文住宅を検討している方へ向けて5種類の工法とそれぞれのメリットについて分かりやすく紹介しています。
木造軸工法は、古くから日本で用いられてきた工法で、在来工法とも呼ばれています。柱や梁を含めて全て木材で構成されているのが、大きな特徴です。また、柱と柱の間には、木材を斜めに組み合わせた筋交いを組み込み、耐震性や耐久性を高めています。
木材の先端には、溝やほぞ(凸形状)といった加工を施し、金属製の接合部品を用いずに接続しているのも特徴的といえます。ただ、職人の高い技術を必要とした加工方法のため、最近では金属製の接合部品を用いているケースもあります。
続いては、木造軸組工法の主なメリット・強みを紹介します。
木造軸組方法は、構造的な制約の少ない工法でもあります。そのため、大きな窓を作ったり広い空間を確保したりすることも可能です。他にも狭小地や変形でも、一定の広さを確保した空間を作り出すことができます。
デザインにこだわりを持っている方、開口部を広くとって外から光を取り込みやすい間取りにしたい方、狭小地でも空間を広く感じたい方などにはメリットといえます。
木造軸組工法は、国産のヒノキをはじめ強度の高い集成材を用いているケースもあり、耐荷重や耐震性の高さという点で強みを持っています。
他にも耐火性という点で、メリットのある工法です。
柱や梁に用いる太い木材に火が付いたとしても表面は炭化します。さらに表面が炭化すると燃えていても耐力の低下まで時間がかかるため、耐火性の高い工法となります。
木造枠組壁式工法は元々北米で主流の工法ですが、近年日本でも2×4工法という呼称で用いられたり住宅のCMで見かけたりします。木造枠組壁式工法とは、2インチ×4インチに加工された木材で柱を組み、合板などで壁を作る工法のことです。
主な特徴は、各材料の寸法が規格化されている点でしょう。柱や合板、釘が、それぞれ決められた寸法および材質なので、品質の均一化や低コスト化につながります。また、面で構造を支える点も木造枠組壁式工法の特徴といえます。
続いては、木造枠組壁式工法の主なメリット・強みを紹介します。
木造枠組壁式工法は、合板を柱の間に組み込む構造のため、高断熱・高気密の構造というメリットもあります。また、柱を太くしたり合板を厚くしたりでき、より機密性の高い家づくりを目指すことが可能です。夏は涼しく、冬は暖かい空間を重視している家族には、メリットの多い工法といえます。
木造枠組壁式工法は、面で支える構造で横揺れなど耐震性という点でも強みを持っています。地震や台風といった災害に備えた家づくりを目指している方などにとって、特に重要なポイントといえるでしょう。また、壁に石膏ボードを組み込むことも可能なので、高い耐火性を期待できます。
軽量鉄骨造とは、文字通り軽量鉄骨を用いた工法のことです。国内の住宅メーカーが採用している工法の1つで、厚さ6㎜未満の鉄骨を使用しながら骨組みを作ります。また、ブレースと呼ばれる筋交い構造を用いているため、木造軸組工法と似ています。
続いては、軽量鉄骨造の主なメリット・強みを紹介します。
軽量鉄骨造は、さまざまな住宅メーカーが対応しており、住宅のラインナップも豊富です。
ただし、大量生産という特徴があるため、設計という点では自由度の低い側面もあります。独自性の強いデザインを求めている方は他の工法を検討した方がいい場合もあるといえるでしょう。ただし、外壁の種類などは充実しているので、デザイン性という点ではメリットのある工法です。外壁や内壁、床のデザインを重視している方は、軽量鉄骨造も含めて検討してみてはいかがでしょうか。
軽量鉄骨造は、木材よりも強度の高い部材です。そのため、柱を多用せずに家を支えることができます。その結果、広い空間を作り出せるようになっています。リビングやダイニングなどの空間を広くとりたいご家族などには、特にメリットといえるポイントです。
鉄筋コンクリート(RC)造は、鉄筋で骨組み構造を作り、鉄筋に沿って板材で囲った型枠にコンクリートを流し込む工法です。高層ビルから一戸建て住宅など幅広い建築物に用いられていて、用途に応じラーメン構造や壁構造などを用いているのも特徴的です。
ラーメン構造は、柱と梁を溶接などで一体化させ強度を高めています。一方壁式構造は、2×4工法のように面で建築物を支える構造を指します。
コストのかかる工法ではありますが、強度の高さや設計の自由度といった点で強みがあります。
続いては、鉄筋コンクリート(RC)造の主なメリット・強みを紹介します。
鉄筋コンクリート(RC)造は、作業工程が多いものの型枠を作り出すことができれば、さまざまな設計に対応できます。そのため、注文住宅に適した工法です。建築家と相談しながら、オリジナリティあふれる住宅を建ててみたい方などには、特にメリットといえるのではないでしょうか。
熱がこもりやすいといった弱点はあるものの、鉄筋とコンクリートの持ち味を生かした構造です。たとえばコンクリートは圧縮される力に強く、鉄筋は引っ張る力に強いという特性を持っているため、高い耐震性を期待できますし耐久性という点でも強みのある構造です。
他にも鉄筋は錆びやすい弱点を持っていますが、コンクリートでカバーしています。このようにそれぞれの強みが組み合わさることで、構造面でメリットの多い工法となっています。
木質系プレハブ工法とは、工場内で木質の壁や柱など一部の部材を組み立てておき、現場で各パーツを組み合わせる工法のことです。工場から出荷される時点ですでに、一部の構造が組みあがっているのが主な特徴といえます。たとえば、木質パネルには、断熱材や下地材まで入っています。
続いては、木質系プレハブ工法の主なメリット・強みを紹介します。
木質系プレハブ工法の特徴でありメリットといえるのが、均一な品質および住宅性能を期待できる点です。住宅の建て方や設計、デザインなどは、住宅メーカーによって異なるものの住宅性能などは、建築基準法および住宅品質確保促進法などで認定を受けています。
さらに部材の品質に関しては工場で大量生産および管理しており、ばらつきの少ない状態です。
木質系プレハブ工法は、木造枠組壁式工法と同じく面で住宅を支える構造となっています。また、各部材は、特殊な接着剤や金物で接合するため、横揺れなどに強い特徴もあります。
つまり木質系プレハブ工法は、横揺れや強風などに耐えられる強度の高い構造です。さらに外部からの力を分散できるため、柱や梁などの変形を可能な限り抑えられます。