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フルオーダー・セミオーダー・規格住宅の違いとは?

注文住宅の種類は、主に「フルオーダー住宅」「セミオーダー住宅」「規格住宅」の3つ。フルオーダー、セミオーダー、規格住宅の順番で、設計の自由度が高いです。このページでは、各住宅の特徴やメリット・デメリット、どんな人に向いているのかについて紹介します。

フルオーダーとは?

フルオーダー住宅とは、家を建てるのに必要な要素の多くを自分で決められる住宅のことです。どこの土地に建てるか、どんな間取りにするか、どんな建材・設備を使うかなど、すべての仕様において自分が思い描く理想の住宅を建てることができます。

フルオーダーのメリット

フルオーダー住宅のメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • 自由に設計した家を建てることができる
  • 予算を振り分ける優先度を決められる
  • 家族と理想の生活を語り合うことができる

自由に設計した住宅を建てることができる

フルオーダー住宅の一番のメリットは、真っさらな状態から自由に設計したオリジナルの家を建てることができる点です。どこの土地に建てるかを決めるところからスタートします。建築基準法のルールはありますが、狭小地や変形地など、購入した土地の特徴に合わせて建物のかたちを変えることも可能。間取りも、家族の生活スタイルや趣味、こだわりなどに応じて決められます。耐震性や断熱性など、住宅の性能を踏まえて建材や設備のメーカーを選ぶことも可能です。

予算を振り分ける優先度を決められる

フルオーダー住宅は自由に設計できるので、住宅のどの部分にお金をかけるのかも自分で決めることができます。デザイン性の高い住宅を作りたいのか、機能性が高い住宅を作りたいのか、どちらもバランスよくかなえたいのかなど、住宅を建てる予算を柔軟に振り分けることが可能です。

家族と理想の生活を語り合うことができる

家族と理想の生活について語り合うことができるのも、フルオーダー住宅のメリット。フルオーダー住宅は制約が少ないので、家族それぞれの希望や意見をできる限り実現することができます。注文住宅を設計する過程で、一緒に家づくりを楽しめるでしょう。

フルオーダーのデメリット

フルオーダー住宅のデメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • お金と時間がかかる
  • 完成イメージを持ちにくい
  • 実際に住むまでにかなりの期間を要する

お金と時間がかかる

フルオーダー住宅は、なんと言ってもお金と時間がかかるのがデメリットです。建築士や設計士とのやり取りや、建築資材や設備機器の個別仕入れなどによって、住宅価格が高くなってしまいます。どのような暮らしがしたいかを家族と話し合う時間も必要。購入を決定した土地の特徴や、外装・内装・設備に対する希望、住宅の施工技術などについて、建築会社やハウスメーカー、工務店などと打ち合わせする時間もかかります。

完成イメージを持ちにくい

フルオーダー住宅は、一から設計していくため、完成イメージを持ちにくいのも難点です。建築会社などに指定されたモデルや、すでに建設されている住宅から選ぶわけではありません。図面やイメージパースなどの限られた資料から想像力を働かせる必要があります。打ち合わせの中で決断していくことに不安を感じられる方もいらっしゃるでしょう。

実際に住むまでにかなりの期間を要する

設計や資金計画、話し合いや打ち合わせに時間がかかるため、実施に住むまでに相当な期間が必要です。計画通り進まなかったり、施工ミスが発覚したり、理想をかなえる方法が見つからなかったりということも考えられます。住宅を建てると決めてから入居するまでの期間に余裕を持っておいた方がよいでしょう。

フルオーダーの家が向いている人

フルオーダーの家が向いているのは、注文住宅に対する具体的な希望を持っている人です。デザインや機能、設備などにこだわりたい人、納得して決めたい人は、フルオーダー住宅を選ぶとよいでしょう。「夫婦ともに料理が好きなのでキッチンは2つ欲しい」「趣味のものを飾るスペースを確保したい」「映画や音楽を鑑賞する防音室を作りたい」など、一般的な住宅とは異なる家を作りたい人にも向いています。フルオーダー住宅は、こうした希望を実現するためのコストと時間に余裕がある人にオススメです。

セミオーダーとは?

セミオーダー住宅とは、ハウスメーカーなどが提示する間取りやデザインなどから選んで建てる住宅のこと。建材や設備を仕入れるメーカーは、限られていることが通常です。ベースになる間取りを決めてから、間取りに合わせてデザインやパーツを組み合わせていきます。

セミオーダーのメリット

セミオーダー住宅のメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • 資金計画を作りやすい
  • 住宅の価格が比較的安い
  • 住宅の完成までに要する期間が比較的短い

資金計画を作りやすい

セミオーダー住宅は、建築会社やハウスメーカー、工務店などがあらかじめ決めている基本のプランでおおよその金額が分かるため、資金計画を作りやすいというメリットがあります。建材や設備のラインアップが提示されるので、上限額も定まりやすいです。振り分ける予算に迷ったり、予算から大幅にオーバーしたりすることもありません。住宅を建てる工程もある程度決まっているため、土地購入を申し込んだり、住宅ローンを契約したりするタイミングを間違えることもないでしょう。

住宅の価格が比較的安い

セミオーダー住宅は、フルオーダー住宅と比べて価格が安いこともメリット。一からすべてを設計するのではなく、事前に決められた間取りやデザインから選択するので、建設コストが抑えられるのです。建材や設備が個別仕入れではなく大量仕入れであることも、安さの理由。地域にもよりますが、フルオーダー住宅の坪単価が75~90万円である一方、セミオーダー住宅の坪単価は50〜80万円です。

参照元:リフォらん:https://refolean.com/%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E7%9B%B8%E5%A0%B4%EF%BC%81%E5%9D%AA%E5%8D%98%E4%BE%A1%E3%82%84%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%83%BB%E5%80%A4%E6%AE%B5%E3%81%AF%EF%BC%9F/

住宅の完成までに要する期間が比較的短い

セミオーダー住宅は、自分で決められる要素がフルオーダー住宅より少ないので、家族との話し合いや建築会社との打ち合わせ時間や回数も少なくてすみます。忙しい日常生活を送りながらでも、注文住宅の建設を進めることができるでしょう。

セミオーダーのデメリット

セミオーダー住宅のデメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • 自由に設計できない
  • 予算オーバーになることもある
  • 入居までの計画が崩れることもある

自由に設計できない

セミオーダー住宅を建てる際には、建築会社などが提示するラインアップから間取りやデザインを選ぶので、すべてを自由に設計することはできません。「もっとこだわって間取りを決めたい」「変わったデザインの住宅を作りたい」といった希望をかなえることは難しいのです。

予算オーバーになることもある

すべてを自由に設計することはできないとはいえ、建築会社やハウスメーカー、工務店などによってはオプションを追加することも可能です。そのため、家族との話し合いや建築会社などとの打ち合わせの過程で、こだわりが強くなったり、変更点が多くなってしまったりすると、予算オーバーになることもあります。フルオーダー住宅ほどでなくても、予算をしっかり管理することが必要です。

入居までの計画が崩れることもある

設計の変更やオプションの追加によって、打ち合わせ回数が増えたり施工期間が延びたりして、入居までの計画が崩れることもあり得るでしょう。計画が崩れると、入居するまでの期間が想定してたより長くなってしまいます。セミオーダー住宅の場合でも、スケジュールをきちんと管理することや余裕を持って計画を立てることは大切です。

セミオーダーの家が向いている人

セミオーダーの家が向いているのは、注文住宅に対していくつかの希望はあっても、こだわりは強くない人です。セミオーダー住宅を注文する建築会社やハウスメーカー、工務店などの特色を調べて、オプションなども追加することである程度の希望をかなえながら、フルオーダー住宅よりも安く家を建てたい人に向いています。話し合いや打ち合わせの回数を抑えたい人や忙しくて時間がない人も、セミオーダー住宅を選ぶとよいでしょう。

規格住宅とは?

規格住宅とは、セミオーダー住宅と同様、建築会社などが提示したプランやラインアップから選択して建てる住宅のこと。しかしセミオーダー住宅とは違って、基本的に、間取りや設備などの変更やオプションの追加はできません。

規格住宅のメリット

規格住宅のメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • 住宅の価格が安く抑えられる
  • 完成イメージを持ちやすい
  • 入居するまでの期間が短くてすむ

住宅の価格が安く抑えられる

規格住宅の一番のメリットは、注文住宅の中でも価格が安く抑えられることです。間取りやデザイン、建材、設備などが規格化されているため、設計や仕入れに高いコストがかかりません。建設会社などによっては、オプションを追加できることもありますが、セミオーダー住宅ほど種類も多くないので、予算を大幅に超えてしまうこともないでしょう。価格が安いとはいっても、自由度が低いことが理由であって品質が低いわけではない点も安心。地域にもよりますが、セミオーダー住宅の坪単価が約50~80万円であるのに対し、規格住宅の坪単価は約40~60万円です。

参照元:リフォらん:https://refolean.com/%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E7%9B%B8%E5%A0%B4%EF%BC%81%E5%9D%AA%E5%8D%98%E4%BE%A1%E3%82%84%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%83%BB%E5%80%A4%E6%AE%B5%E3%81%AF%EF%BC%9F/#outline_1__3

完成イメージを持ちやすい

間取りやデザインの規格が事前に決められているので、完成イメージを持ちやすいのも、規格住宅のメリットです。過去に建てられた規格住宅の事例やモデルハウスを見学することで、イメージをより明確にすることもできるでしょう。家を建てる前と住んだときのギャップが小さいので、不安に感じることも少ないでしょう。

入居するまでの期間が短くてすむ

セミオーダーよりもさらに、規格住宅の方が入居するまでの期間が短くてすみます。提示される規格から選べばよいので、話し合いや打ち合わせにも長い時間がかかりません。施工工程がマニュアル化されていて、建材や設備の仕入れがスムーズにでき、トラブルも起きにくい点もポイント。セミオーダーの施工期間が4~6ヶ月である一方、規格住宅の施工期間は3~4ヶ月です。

参照元:リフォらん:https://refolean.com/%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E7%9B%B8%E5%A0%B4%EF%BC%81%E5%9D%AA%E5%8D%98%E4%BE%A1%E3%82%84%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%83%BB%E5%80%A4%E6%AE%B5%E3%81%AF%EF%BC%9F/#outline_1__3

規格住宅のデメリット

規格住宅のデメリットには、つぎの3つが挙げられます。

  • 自由度が一番低い
  • 特殊な土地には建てられない
  • デザインが万人向けになってしまう

自由度が一番低い

規格住宅のデメリットは、設計の自由度が一番低いことです。規格住宅は、間取りやデザインだけでなく、住宅の構造や機能、建材、設備、外装・内装などの選択肢が限られています。そのため、自由に設計したオリジナルの家に住むことはできません。

特殊な土地には建てられない

規格住宅は、建物のかたちを柔軟に変えることができないので、特殊な土地に建てることができないことも、デメリットです。狭小地や変形地、特別な条件がついているなど、土地の制約によっては規格住宅を施工できないこともあります。

デザインが万人向けになってしまう

規格住宅のデザインは、万人向けのものになってしまいます。規格住宅では、こだわりを持ってデザインを決めたり、個性的なデザインの家をつくったりしたいという希望をかなえることができません。

規格住宅の家が向いている人

規格住宅の家が向いているのは、注文住宅を安く建てたい人や施工期間を短くすませたい人です。何の制約もない中で自由に設計していくよりも、建築のプロが提案してくれる選択肢から選びたい人にも規格住宅がオススメ。生活する家に対する希望は品質が保たれていることが一番で、特徴的なデザインやこだわりは持っていないという人も、規格住宅を選ぶとよいでしょう。

理想の家がかなう住まいの建て方を選ぼう

「フルオーダー住宅」「セミオーダー住宅」「規格住宅」の特徴やメリット・デメリットを紹介しました。注文住宅に対する希望や理想の暮らし方、かけられる予算や時間、住宅を建てる場所などは、人によって異なっています。「フルオーダーは自由に設計できるから誰にとっても一番よい」とは限らないのです。注文住宅を建てるときには、住宅に求める条件や優先順位を明確にした上で、各住宅の特徴や長所・短所を踏まえ、自分の理想がかなう住まいの建て方を選びましょう。