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狭い土地を有効活用する狭小住宅とは

狭小住宅とは、狭い土地に建てられた家のことです。住宅密集地の狭い土地に建てられた家を見たことはないでしょうか?狭い土地を相続したが、本当に家を建てられるのか?不安な方に狭小住宅について解説しています。

狭小住宅とは

狭小住宅は、狭い土地に建てられた家のことです。住宅密集地で、15坪あるかないかの狭い土地に建てられた家を見たことはありませんか?明確な定義はないですが、かつては30坪以下でも狭小住宅と呼んでいました。「狭い土地に家を建てても住みづらいだけじゃないか?」と、疑問を感じる方もいるかもしれません。ただ、建築技術の発展や工夫で、狭小住宅でも快適に住んでいる方はいるのです。中には狭小住宅が得意なハウスメーカーや工務店もあります。

狭小住宅のメリット

利便性の高い土地に建てられる

狭小地は、都市部に多いです。同時に利便性の高い場所にあります。駅やバス停に近い、商業施設が徒歩圏内で気軽に行ける場合も多いです。出勤や買い物は、毎日しなければなりません。若い頃なら元気ですが、高齢になれば移動するだけでも一苦労です。自動車の運転もおぼつかなくなったり、恐怖心が芽生えてしまったりする可能性もあります。免許返納の問題も頭を悩ませることになるでしょう。生活利便性を土地選びの優先順位のトップに位置づける方もいます。狭小地でも、家を建てたいと思うのは必然です。

維持費を抑えやすい

維持費の面でも、狭小地にはメリットがあります。家を建てると、固定資産税や都市計画税という税金を支払わなければなりません。ただ、一戸延床面積200㎡以下の土地は税金が安いのです。また、狭小地の家はコンパクトですから、定期的に行う外壁塗装の範囲や冷暖房の光熱費も抑えられます。つまり、維持費を抑えられるのです。長く住み続けることを前提にすれば、維持費の問題は避けて通れません。狭小地なら維持費の負担も軽減できるのです。

個性が反映されやすい

狭小地に家を建てるのは難しいですが、その分、対応技術も発展しました。スキップフロア、吹き抜け、スケルトン階段、開放的な空間づくりなどの技術です。ロフトや屋根裏も狭小住宅ではよく見られる工夫です。自分たちの「こうしたい」という要望を大胆に反映させやすくなっています。

費用削減しやすい

利便性が高い場所でも、狭小地という理由で、売出し価格が安く設定されている場合も多いです。家の大きさも限界があるため、建材が少なくなって建築費用を抑えられる場合もあります。申請費用や登記費用も安いです。

掃除時間短縮

掃除もしやすいです。全体の面積と部屋数を考えると、ムダに広い家よりも掃除にかける時間を減らせます。掃除も労力はかかりますし、年齢が高くなると、しょっちゅう行うのも負担が大きいです。掃除にかける時間が少ない分、やりたいことがたくさんできます。

狭小住宅のデメリット

建築コストが割高になりやすい

土地の購入費用や建材数が少なくなった分は、費用を抑えられます。反面、厳しい条件で要望を叶えるなら、デザインや設計での工夫も多くなる分、建築コストが高くなるケースがあるのです。横に広くできず縦に高くするなら、耐震性を含めた強度も求められます。家までの道が狭いと重機が入れず、設計やデザインが複雑なら職人の数も増えるため人件費が高くなるのです。

密集地になりがち

狭小地は、住宅密集地に多いです。つまり隣家との距離が近いため、プライバシーや騒音対策が求められます。採光や風通しの問題も発生すれば、隣家とのトラブルに発展するリスクもあるため、工夫も求められるのです。配慮をすれば建築コストに反映されます。

動線が不便になりやすい

生活動線は特に考えなければなりません。狭小地の家は、通常より空間が狭くなります。3階建てで、縦方向への空間は広くできますが、横方向だと限界があるのです。生活動線は依頼する設計士やデザイナーとよく相談したほうがいいでしょう。

住宅ローンの対象外になることも

家を建てる場合、住宅ローンを利用する方は多いです。しかし、狭小住宅だと銀行が提示する条件を満たせず、住宅ローンの対象にならない場合があります。よくある条件は土地面積40㎡以上や住宅の延床面積60㎡以上という内容です。経済的な条件を満たしていても油断は禁物です。

現金購入になることも

住宅ローンが組めないと、現金での一括購入という高いハードルをクリアしなければなりません。住宅ローン以外にも、家の建築に使えるローンは存在します。ただ、金利設定が高いと返済で苦労しかねません。その点も考えて、狭小地や狭小住宅を選ぶか何度も検討が必要です。そうすれば、失敗するリスクの回避につながるでしょう。

狭小住宅を建てる際のポイント

移動スペースと収納スペースの兼用

廊下といった移動のためのスペースに、収納スペースを配置するという工夫が必要です。生活スペースを確保しても、収納スペースがないと、とたんに生活しづらい家になります。解決方法のひとつに、移動スペースになる廊下に収納スペースを配置するのです。廊下の壁の棚を作る、階段の下などデッドスペースに収納を配置すれば解決します。部屋数も収納も確保できるアイディアです。

採光・風通しを検討

採光や風通しを意識した設計が必要です。十分な土地がなく、住宅密集地という条件なら、隣家との距離も近くなります。隣家の影響で、採光や風通しに問題が生じる場合があるのです。都心部では、家ではなく、ビルが邪魔になる場合もあります。工夫として、天窓や高窓を設置することも考えてみてください。狭小住宅が得意な業者に相談するのも選択肢のひとつです。

間仕切りを減らす

狭小住宅でも快適にする工夫として、間仕切りを減らす方法があります。コンパクトを意識すると出てくるのがスペースの問題です。スペースがないと圧迫感が生まれ、開放感が出ません。解決方法のひとつに、意識して間仕切りを減らすのです。実際のスペースは変わらないですが、空間の広がりを感じられるために、開放感があります。結果、狭小住宅でも窮屈ではない生活を送りやすくなるでしょう。

ロフトや地下室なども検討

ロフトや地下室を設ければ、生活スペースを広げられます。ロフトや地下室は、建築コストはかかりますが、狭小住宅では有効です。部屋数を確保するために縦へ伸ばしたくても、都市計画法で高さ制限が決められており限界があります。そのため下に伸ばす、つまり、地下なら問題はありません。ただし建築基準法で基準が設けられています。換気設備や湿度調整設備、からぼりなどに面する開口部を設ける、防水や地震や土や水の圧力に耐えられる構造など細かく決められているため注意が必要です。当然、施工コストも高くなります。

敷地に余裕を持たせる

狭小地でも、敷地に余裕を持たせなければなりません。敷地ギリギリだと、敷地と建物の割合によっては建ぺい率の問題が出てきます。また、外壁も隣地境界線から50センチ開けることも、民法234条1項で定められているのです。他にも駐車場や駐輪場の確保、隣家との騒音や冷暖房が適切に機能しない、メンテナンスをしたくても十分なスペースが取れないなどの問題が出てきます。

動線を工夫する

特に注意したいのが、動線の工夫です。狭小住宅で3階建てや地下を検討しているなら、家事動線で失敗すると階段の上り下りが多くなるため生活に不満が出ます。1階に洗濯機があり、干すために3階の屋上まで階段を上がる自分をイメージしてください。若い頃ならまだしも、高齢になると体力的な問題も生じます。デザイン性やスペースの確保ばかりに意識を向けていると失敗しがちなため、家事動線も意識しましょう。

スキップフロアを活用する

スキップフロアも有効です。フロアの高さをずらし、1.5階や2.5階を作ります。1階と2階のように、明確に切り分けられておらず、段数の少ない階段を活用してちょっとした段差を設けるのが特徴です。間仕切りを減らすのと組み合わせることで、より開放感を生み出せます。狭小住宅との相性がよいために、採用されることが多い方法です。

デッドスペースを活用する

狭小地だからこそ、デッドスペースを活用しましょう。デッドスペースを活かせれば、収納力がアップします。階段の下や屋根裏部屋、ロフトなどでデッドスペースも有効活用するのです。機能性とともに、おしゃれなイメージもあります。デッドスペースを上手く使うだけでも、家全体の機能性がアップするのです。ロフトを作れば子どもや親の寝室スペースも確保できます。子どもにとっては自分だけの隠れ家ができたような気分にもなるでしょう。

まとめ

「狭小住宅は狭いだけで住みづらい。わざわざ狭小地なんて選ばないほうがいい」という考え方になる前に、メリットとデメリットの正しい把握をおすすめします。狭小住宅でも工夫次第で、人から「上手く作ったね」と褒められるような家になるのです。相続した土地が狭小地でも、戸建てというお城をあきらめると損をするかもしれません。デッドスペースの活用、開放感を生み出すために間仕切りを減らしたり、スキップフロアを作ったりすれば対応できます。部屋数を増やすために地下室を作るのもいいでしょう。狭小住宅も上手く作れば満足度の高い家になります。