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せっかく新しく購入した家なら、いつまでもキレイに使いたいものですよね。しかし、生活を続けているといつの間にか物がゴチャゴチャと散乱するのはありがちな話です。
そこで重要になってくるのが「収納スペース」。こちらでは収納をすっきり見せる間取りのポイントを紹介します。
大型の収納スペースを家のどこかに集中させていては部屋は片付きません。生活動線に沿って収納を設置することで、効率良く物を片付けられるようになります。
収納場所が決まったら、そこにどんな物を片付けるのかしっかりとイメージしてみましょう。収納の内部の"間取り"も大切な要素です。何を収納する場所にするのか想定したうえで、その大きさに合わせた高さや奥行き、棚などを設置することが大切です。
キッチンは、家の中で物が雑然としがちな場所のひとつです。そこで、強くおすすめしたいのが、食品保存庫、つまりパントリーを設置することです。
「あまりスペースにゆとりがないから」とためらう方もいるかもしれませんが、たった1畳分のスペースがあれば設けられるのが、パントリーの手軽さでもあるのです。工夫次第では、パントリー内に冷蔵庫を置けるように設計することも不可能ではありません。
冷蔵庫や冷凍庫に入れる必要のないものであれば、どのような食品でも収納しておけるので、とにかく便利です。特に、奥行きがあまりない棚は、とても機能的なので、ぜひ検討してみてください。あまり奥にたくさん物を押し込むことはできませんが、その分、ひと目で何が棚にあるのかがわかりますし、使いそびれて賞味期限切れになってしまうようなことも避けられるからです。
食品類をパントリーに収納してしまえば、台所はかなりスッキリするはずです。調理スペースに余分な物がひとつもないような整然とした状態であれば、食事の仕度もスムーズに進むことでしょう。
ひとくちに「物を収納する」といっても、かなり高い頻度で使う物から、めったに使うことのない物まで、さまざまです。よく使用する物に関しては、やはりメインとなる生活動線上に設けた収納スペースにしまっておいたほうがよいでしょう。
その一方で、例えばウィンタースポーツ用品などであれば、1年のうち1シーズンしか使用しません。このような使用頻度が低い物は、屋根裏スペースに収納しておくのがおすすめです。あるいは、思い出の品など、「大切ではあるけれど毎日取り出すことはない」というような物も、屋根裏スペースでの保管に適しています。
なんとなく物が散らかりやすい、あるいは暮らしにくい、といった感覚があるとすれば、それはデッドスペースのせいかもしれません。「物があふれているのに使っていないスペース」つまり「デッドスペース」が生じてしまう原因を考えることで、より居心地の良い屋内環境を手に入れられるはずです。
広い収納スペースを確保するために、現在は「蔵」収納が注目を集めています。
これは、高さ140cm以下、2階床面積の50%以内であれば容積率に含まれないという事項を活かした収納。つまり「蔵」収納のような高さ1.4m以下の空間は居室とみなされることはなく、建蔽率対策になるのです。
建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、一方の容積率と敷地面積に対する延床面積の割合のこと。建蔽率と容積率は地域などの都市計画によって規定があり、限度が定められています。
決められた建蔽率・容積率を超えた住宅建築を行うことはできませんが、「蔵」収納のように条件を満たしたものであれば大型の収納スペースとして活用することができます。
和室の畳をめくると、そこには畳1枚分の床下収納が。畳の形状を生かした造りで、開け閉めはスイッチ1つでOK。ガススプリング方式なので力を入れなくても簡単に開閉できます。
リビングに小上がりスペースを設置するとともに、少し高くした分を収納へ活用。天井が近くなったことでより落ち着ける畳の空間と収納を兼ね備えている。まさに一石二鳥のデザインです。
天井高の低い大容量の収納スペースを設置。小さな子供の遊び場にもなるなど多目的に使用できるほか、条件を満たすと容積率には含まれないため建蔽率対策になります。
家の全体の間取りを正しく把握していないと、頭に思い浮かべているような理想的な収納は難しくなります。さまざまな動線を計算に入れずに家具を置いてしまうと、予定していた場所にはなんとか配置できたとしても、「ドアを8割くらいしか開けられなくなってしまった」など、想定外の問題が発生してしまいます。
想定外の問題には、他にも次のようなものが考えられます。
もともと暮らして家ではピッタリだった家具も、それを引っ越し先の住まいに設置した場合にはデッドスペースがたくさん生じてしまうことも、めずらしくありません。外観が派手すぎるように感じられるなるなどの問題もあるでしょう。
そのような場合には、サイズがあわなかったり派手すぎるような家具は、リビングなどの装飾用の家具としてつかうのがおすすめです。また、主に実用目的で使うための家具を買い足す際には、新しい住まいの寸法に合わせるだけでなく、「収納したいものを収納するのに適した寸法の家具」という観点も含めて選択するとよいでしょう。
寸法を測ったつもりでも、その測り方が正確でなければ、やはりデッドスペースは生まれてしまいます。特に、金具部分のでっぱりや、引き出しを引いた場合のサイズ、あるいは扉をひらいた場合などのサイズなどを把握しておくことを忘れないようにしましょう。
また、家具に設置して使おうと思っていた収納グッズがある場合も、実際に便利な取り付け方ができるかどうかを想定しておくことが大切です。これらのことを事前にチェックしておけば、「せっかく新しく買った家具がグッズが使えない」といった状態を避けることができます。
住まいの場所別に、生じやすいデッドスペースをどのように減らしていったらよいのか、その方法をみていきましょう。
キッチンは、特に物が散らかりやすい場所のひとつです。そして、食品を扱う場所なので、雑然としたままにしておくのは衛生的にもよくありません。清潔にたもちつつ、使い勝手の良い状態にするには、どのような方法がよいでしょうか。
まずは「使用頻度の高い物は、いつでも使える場所に吊るしておく」が基本です。「よく使う物」とひとくちに言っても種類はたくさんあるので、おすすめなのは、メッシュのパーテーションを取り付ける方法です。
フックをつかって物を吊るせば、かなり多くの種類のものを整理できますし、どこになにがあるか、一目瞭然です。フックに袋をかけて、その中に物をいれておくこともできます。
キッチンには、メタル製の棚など、せまいすき間にフィットするような形状のアイテムも大変便利です。たとえば、流しと冷蔵庫の間、あるいは壁と食器棚の間に細長いデッドスペー-スなどがあれば、そこを有効活用できます。奥行きがあるすき間の場合には、引き出せるようにキャスター付きのものがおすすめです。
ボックスを活用するのも、キッチンをスッキリさせるのに大いに役立ちます。たとえば、フライパンなどのように、ある程度のサイズがあり厚みがあまりないものには、ファイルボックスがピッタリです。取り出しやすくなるでしょう。
リビングで、なんとく片付いていないような雑然とした雰囲気をつくってしまうものとして、「コード」が挙げられます。テレビ台周辺や床などに、さまざまな家電のコードがごちゃごちゃと放置されていると、ホコリがたまっている状態も目に付きやすいです。
これも、ファイルボックスを活用することで解決が可能です。ファイルボックスに入れてしまえば、見た目にもスッキリと片付いていた雰囲気になりますし、床に掃除機をかける際なども、持ち上げやすいでしょう。
玄関はどのように対処すべきでしょうか。家族が多い場合、かなりの数の靴や傘などが置かれているものです。雑然とした状態になりがちです。
傘を収納するための細長いスペースが付いている靴箱であれば、突っ張り棒を使うのがおすすめです。高めの位置に突っ張り棒を設置し、傘をかけておけば、余った下の方のスペースには、入り切らなかった靴を何足か置くことが可能です。
ウォークインクローゼットなど、洋服を収納するスペースも、上手に利用しないとデッドスペースが生じやすい空間だといえます。基本は、「使用頻度の高いものを取り出しやすい中段に収納する」ことです。そして、あまり利用しない衣服は、高いところや、かがまなければならないような下の方のスペースなどに収納します。
他にも、 突っ張り棒など、さまざまなグッズを応用しやすいのもまた、クローゼットの特徴ですから、さまざま工夫が可能です。